ぜんぶ、しらないふり。






ほんの少し、学校の女の子に比べて距離が近かっただけ。

ほんの少し、クラスメイトじゃ知ることのできない温度を知っているだけ。




そんな片岡くんとの距離に私は甘えていたんだ。

片岡くんがもともとクズに分類される人であることは知っていた。
だから、他の女の子の影があったって、私はきみに何も言えない。


トモダチ以上コイビト未満って、もどかしいだけじゃなかった。




「…強がりだね」

「…、そんなことない」




近づきたいのに近づけない。

───その距離は、つらくてくるしい。