ぜんぶ、しらないふり。




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「ごめん、なんか。私の分まで買わせちゃって」

「いや、付き合ってくれたお礼」

「そっか…ありがとう」


駅前のパン屋に着いて お母さんに頼まれた食パンを買った日野くんは、お礼と言って私にメロンパンを買ってくれた。


明日の朝ご飯に大事に食べよう…と、そんなことを考えていると。



「あれ?……八樹だ」


日野くんが私の後ろに視線を向けていった。
つられて振り返る。


すると、そこには確かに片岡くん───と、女の子の姿があった。



…え、なんで片岡くんがこんなところにいるの。

別件の用事があるんじゃなかったの?



隣の女の子は他校の制服を着ている。
どくん、どくんと胸のあたりが騒ぎ出す。