「まじか。イケメンだといいね」

「イケメンにろくなやついないよ」

「えーなに?佳都、イケメンになんかされたの?」

「なんかっていうか…友達いなくて可哀想な女って思われた」

「ウケる。事実じゃん」




片岡くんのもうひとつの顔を知ってからもう1週間がたった。


あれからというもの、一応クラスメイトとして目があった時は挨拶するようにはなったものの、それ以外で彼が特別絡んでくることもなければ、もちろん自分から話しかけるなんてこともなかった。


まるであの腹黒毒舌野郎は幻だったんじゃないかと疑うほど、彼は相変わらず“学年一の爽やか王子”として、何の違和感もなく過ごしている。



…まあ、もう関わることはないしどうでもいいけど。