否定も肯定もしないのは、めんどうだからーーではなく、否定も肯定も“できなかった”からだ。



片岡くんと私の関係は“トモダチ以上コイビト未満”。


同居していることは生徒会メンバーとメイナしか知らないままだけど、バレたとしても支障がないくらい、私と片岡くんがお互いに特別な存在であることが知られていた。



メイナには「なんでまだ付き合ってないの?」ともう数えきれないほど言われた。


…そうは言われても。

片岡くんが私のことを好きだってきまったわけじゃないし、私だって片岡くんに自分の気持ちを伝えたわけでもない。


良くも悪くも私たちは曖昧なまま、時間だけが過ぎていっている状態だった。