「2人ともイイ感じにクソガキー」

「王子、それって褒め言葉ですか?」

「渾身の褒め言葉」

「じゃあ有難く受け取ります」



作り笑いじゃない、子供っぽい無邪気な笑い方をするのは、確かに爽やか王子“だった”片岡くんだ。



あの日───3年生の先輩に絡まれた日を最後に、片岡くんは“爽やか王子”ではなくなった。



片岡くんに裏の顔があることは、あの時の先輩が言いふらしたわけじゃない。


片岡くんは、あくまで自分で本性を明かしたのだ。