ぜんぶ、しらないふり。





「けど、佳都ちゃんの方圧倒的に可愛い」

「……、え」

「随分素直になったよな。俺のおかげ、だったりして」



段々と自分の身体が熱を持つのがわかる。
目を逸らし、彼の視線から逃げるように片岡くんの制服に顔を埋めた。




「どした?」

「なん、でもない…けど」

「けど?」

「……、片岡くんのせい」

「…はぁ?」



「意味わかんねー」と呆れたように笑って言った片岡くんが、抱きしめる力を強くした。



片岡くんの香り。男の子の身体。

​───嫌いじゃない、温度。