ぜんぶ、しらないふり。






2人が生徒会室の中に入ってきて、ドアが閉められた。


ただでさえ人通りの少ない3階。
それに加えてホームルーム前のこの時間だ。

逃げ場も助けを求める術もなさそうだった。



遅刻扱いされたくないからできれば早急に教室に戻りたいけれど、多分、この先輩方は、自分たちが遅刻になってでも『王子のお気に入りで噂の涼風佳都』を痛めつけたいんだと思う。



そこまで鈍感じゃない。
笑っていない瞳と、「鼻に付く」の言葉。


彼女たちが私をよく思っていないことくらいわかるのである。