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生徒会室に戻ると、予想通り、スマホは机の上に置きっぱなしになっていた。
(急がないとホームルーム始まっちゃう…)
無事にスマホをポケットに閉まい、再び生徒会室を出ようと出口に向かう───と。
「はー…やっと一人になってくれたぁ」
見たことのない女の子が2人、出口を阻むように立っていた。
上履きの色からして3年生だ。気味の悪い笑顔を浮かべる2人の目は全く笑っていない。
背中を嫌な汗が流れた。
「王子のお気に入りで噂の涼風佳都ちゃんってあんたでしょ?」
「…、お気に入りかどうかは知らないけど、名前は合ってます」
「はっ。その澄ました感じ、すっごい鼻に付くね」