今は高校2年生の4月。


お母さんとお父さんが離婚したのは私が小学生の時で、それからずっとお母さんは女で一人で私を育ててくれた。

仕事が忙しいのに、週の半分は私とこうやってご飯を食べてくれている。



寂しさにはもう慣れてしまった。心配されるほど、私はもう子供ではないのだ。


すると、お母さんは少しだけ悲しそうな顔をして、「佳都」と名前を呼んだ。



「ママの会社、今度海外の支店が新しく設立されることになって。責任者として1年だけ現場で指揮をとらなくちゃいけなくなったの」

「…1年…、」

「佳都のこと連れていきたい気持ちはすごくあるんだけど…高校2年生で一番いい時期だし、メイナちゃんとお別れさせたくないなって思ってて。本当は先月から言われたんだけど、佳都を一人で残すのも不安だし、ママもずっと迷っててね…、」

「うん…」