あの日───片岡くんが熱を出した日。



同じ布団にくるまって寝たときは、部屋は暗くて私の顔の色なんてわかるはずもない。

あれから数日たったけれど、それ以降も片岡くんに対して照れた覚えはない。




…ていうか、血は元から流れてるって言ってるのに。



「バカなこと言ってないで早く行こうよ」

「つれねーなぁ」

「うるさい」



片岡くんい振り回されてばかりはいたくない。

「もう行くよ」と言えば、片岡くんは「はいはいー」と適当に返事をした。