片岡くんは「気を付けて帰れよ」と一言いって身体を離すと、よっぽど私を可哀想な女だと思ったのか、ぽんぽん…と優しく頭を撫でた。

…いや、だから憐れまれるようなことを言ったつもりはないんだけど。



なにはともあれ、ようやく解放された私は、「それじゃ」と言って生徒会室を出る。




片岡八樹。


なんだったんだ、あのひとは。

猫かぶりまくりの腹黒毒舌野郎。

明日から学校で用事があるときにニセモノの笑顔を浮かべられても、(作り笑い…)とか思ってしまうかもしれない。


極力話したくないし、これ以上関わりたくもないなー…と、そんなことを思いながら帰路についた。