はぁ…と、苦しそうに呼吸をしているくせに何を言ってんだ、このひとは。
そう思う反面、そんなふうに懇願されては断るのも気が引けてしまう。
チカさんの仕事が最近忙しいという話は私も知っていた。片岡くんなりに母親を気使ったのだろう。
けれど、このまま放っておいたら片岡くんが苦しいだけだ。
…しょうがない、か。
片岡くんの要望に頷くと、彼は腕をつかんでいた手をようやく離してくれた。
「ありがと、…ケートちゃん」
「別に」
弱っている片岡くんだと なんだか調子狂うんだけど……。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…