横たわる彼の額に手を伸ばす。
てのひらに伝わる高い温度が、私の予感が的中していることを表していた。



いつからだろう。日中は普通だったはずだ。

無理していただけ?
だとしたら、気づけなかった私もちょっと悪いじゃないか。




「体調悪いならちゃんと言いなよ」

「…寝たから平気だって」

「平気な顔してないじゃん。とりあえずチカさんに言って───…っ、」



私がそういったのは、片岡くんの母親はチカさんだから報告しておこうと思ったからだ。

けれど、それを阻止するかのように熱を帯びた手が私の腕をつかんだ。




「…チカちゃんには言わなくていいから、」

「何言ってんの…」

「…、最近仕事忙しいって言ってるだろ。…変に負担掛けたくないんだよ…。それにもう寝る時間だろ、多分」