「…なんかってなんだよ」
「私の秘密を一つ教える、とか」
「例えば？」
「友達がいません」
「みりゃ分かる」
「人間に興味がありません」
「それもなんとなくわかる」
「…じゃあもう十分でしょうが。片岡くんが腹黒毒舌野郎でも全然興味ないんだってば、ホント」
「おまえ口悪いな結構」
「片岡くんに言われたくない」
別に、全部どうでも良いのだ。
この冷めた性格のせいで友達が1人しかいなくても、
両親が離婚してからずっと母子家庭でも、
学年一の爽やか王子が実はめちゃくちゃ腹黒毒舌野郎でも、
───ホント、全然、どうでもいい。
「……なんか、可哀想になってきた」
「憐れまれるようなことは言ってません」
「言いふらす友達もいないの、頭になかった。ごめん、引き留めて」
「え」
