夕飯を食べ終わってから、片岡くんは部屋に閉じこもって出てこない。
いつもならリビングで一緒にテレビを見たり、ソファでひとりでゲームをしてたりするから少し変だなぁと思っていた。
夕飯も、いつもより食べていなかった気もする。
「あー…?勝手に入ってくんなよ」
「返事がないから肯定だと捉えたんだよ」
「あー、そ」
ドアを開けて顔をのぞかせると、片岡くんはベットに横になっていた。
何かをしていたようには見えない。
もしかして寝てたのかな。
「お風呂入れってチカさんからの伝言」
「…おー、どうも」
「それだけだから。おやすみ」
そう言ってドアを閉めようとしたとき。
「あー…まってケートちゃん」
いつもより覇気のない声で、片岡くんが私を呼び止めた。