ヒノ ヒビキ。

本当にきれいなカタカナの並びだ。

変な会話。
だけど、嫌いじゃない。




「…なぁ、もういい?帰りたいんだけど」



その様子を見ていた片岡くんが はぁ とため息をついた。


視線を移せば、片岡くんは「なに」とそっけなく返されてしまった。

怒ってる…とは違う気がする。
なんか……不機嫌?拗ねてる?

意味わかんないな、このひと。




「ああ、ごめん。じゃあ俺こっちだから。またね2人とも」

「あ、うん。また」

「…おー」



交差点で、日野くんに手を振って別れる。




「…さっさと帰るよケートちゃん」




何故かちょっとだけ機嫌が悪い片岡くんに頷いて、私は大人しくその背中に続いた。