不意に、頬に冷たいものが当てられた。
ぱっと顔を上げれば、100%のリンゴジュースを持った片岡くんが私を見ていて、「リアクション薄いなー」と言われた。
私にリアクションの善し悪しを求めないでほしい。
「響もこれやるよ。遅刻のお詫び」
「どーも」
「おう。…あれ、佳都ちゃんからお礼言われてねーなぁ」
「…、ありがとうございます」
「ん。どういたしまして」
プシュ…と、貰った缶ジュースを開け口をつける。
余計なことってなんだろう。
私が考えていたことが読まれたのだろうか。
片岡くんが生徒会に入っている理由?
仕事はしないけど、遅刻したことをちゃんと悪いと思っていて、こうやってジュースを買ってきてくれる意味?
…なんでもいいか。
どうせこれ以上深くかかわらないし。