ぜんぶ、しらないふり。








30分くらい日野くんと2人で作業をして、最後のプリントに印鑑を押し、「日野くん終わったよ」と声をかけてプリントを渡そうとしたとき。



「…やー遅くなったわ、悪い」



ガラ、と音を立ててドアが開き、だるそうにそう言う片岡くんが入ってきた。



…遅すぎない?
告白ってそんなに時間がかかるもの?

へらへら笑って謝りながら私の隣に座る片岡くんに内心いら立ちを覚える。



ちらりと日野くんに視線を移すも、彼の表情に変化はなかった。
当たり前に片岡くんの遅刻を受け入れているーーというか、慣れている、ように見える。



興味があるから放っておいてる、かぁ。

日野くんって少し変わった人なんだな、と 先ほどの会話を思い出してそんなことを思った。