「言われたことないけど」 「じゃああたしが1号かぁ」 「嬉しいわけ?それ」 瞬きを3回、高速でして。 「ん、まあね」 黒いスニーカー、べつにおろしたてってわけじゃあないけども。砂浜を歩くんなら、もっと違う靴にすればよかったかな。なんて。 今日こうなることは決まっていなかったし、あたしのわがままで慎太郎を連れてきたわけだし。 声に出したりはしないよ。