テテュスの箱舟

「わかって頂ければ宜しいです。
私だって貴女を歓迎する気持ちはあります。貴女にはレッドの支えになって頂ければ何よりです」

そういえば、素性が知られているのならもう必要ない嘘がある

「カートさん、その事ですが」

「カートでいいです。私もヴァーリャお嬢さん、と呼ばせていただきますが宜しいですか。」

「分かりましたカート。
レッドさんとの事ですが、実は彼とはなんの交友関係もないのです。」

「まあ、知っていますよ。
私の記憶が正しければ貴女とレッドはあの港で初対面の筈ですからね。」

この船ではそういう事にしておいた方が都合が良いでしょうから訂正する必要もありませんよ、と彼は言う

「あの子が貴女にどこまで心を許しているか測りかねますが、それでも私は貴女に期待しているのです。」