テテュスの箱舟

カートは続ける

「私は貴女に危害を加える気はありませんが、この船と共に行動するなら当然悪意の目にも晒されます。
レガート伯爵家の令嬢が護衛も付けずに、ましてや身分を明らかにせず出歩いていれば格好の餌ですよ。」

彼の言葉は核心を抉るド正論だ

「本当に、その通りですわね。子供じみた家出で皆さんにご迷惑を掛けてしまうなんてお恥ずかしいですわ。」

「いいですか。これは貴女だけの問題では無いのです。」

カートは真っ直ぐにヴァレンティーナを見据える

「もし、貴女の身に何かあれば…出来るだけ避けたい事態ですが、その時処罰されるのはレッドや、この船の人間です。貴女を危険に晒したとして伯爵閣下に死刑を言い渡されても文句は言えません。」