テテュスの箱舟

伯爵はヴァレンティーナの分も紅茶を淹れさせる
侍女長のケイティが淹れる紅茶はとても素晴らしく、伯爵家ではこぞって愛飲されている

「美味しい。
この紅茶だとナッツの焼き菓子なんかに合いそうね」

少女がそういうと伯爵が合図をして侍女がお菓子を用意する

この少女、完全に甘やかされているのだ

「それでお父様、お話って?」

「ティーナ、ディラン大公爵は知っているね?」

聞き覚えのある家名に思わず少女は身構える

「ええ。」

「ディラン大公爵の一人息子、ラインハルト殿がティーナとお話がしたいと言ってきてね。」

要するに縁談を持ち掛けられてるということだ

「ああ、ティーナ。
そんな顔をするんじゃないよ。
ティーナが嫌だというなら父さんが断ってあげるから」

「それで?
大公爵様はいついらっしゃるの?」