少し大きめの声で言うと、千結様の肩がピクっと動いた。

その姿を見て今度も大きめな声で



「私は千結様しか見えていませんから。

好みって言われても千結様ですし、特にタイプとかは…」


ない、ときっぱり言うと女子はポカーンとし、だんだん頬を染めてキャーと言いだした。

千結様は動きを止め下を俯いていて、隣にいる七海様はニヤニヤと笑う。ふと、七海様が千結様の方を見ると、七海様は千結様を見て目を見開いていた。



……千結様?


すると、千結様は立ち上がりドアの方に向かって歩き出した。


……っ、え。



ポニーテールでいつもより見える千結様の横顔は、頬を染めながら嬉しそうに微笑んでいた。