一条の容姿といったら整いすぎて困る。 さらさらの黒髪に重なる二重の大きな目。シュッとした鼻筋に薄ピンクの唇。高身長でスタイルがよすぎる。 私でも見つめられたら目のやり場に困るほど。 「行ってらっしゃいませ」 「……行ってきます」 周りにいる他のメイドや執事に見送られながら私は家を出た。 「……いっそのこと好きって言えばいいじゃない」 学校で、一番仲のいい紗乃七海(さやの ななみ)が私に言った。