「千結、真結(まゆ ・ 母)から話は聞くから控え室に行きなさい。濡れているだろう。一条くん連れてってもらえるかな?」 「はい」 お父さんの言葉に一条は返事をすると「行きましょう」と私の手を引いた。 「千結さんかっこよかったわね……」 「千結さんはお優しい方なのね。お母さんのために動いて立派なことだわ」 周りからそんな声が聞こえたが無視する。 一条は少し怒っているようにも見えた。 控え室に入り違う服に着替える。 着替え終わると一条がすぐに駆け寄ってきた。