花野井さんはびっくりした顔をしてから「あらぁ」と言った。 平常心を保ちながらパッと一条の腕を離し、 「では、これで失礼します」 と笑って言って礼儀正しくお辞儀をした。 くるっと振り返り歩きだす。 「一条、行くよ」 一条に歩きながら背を向けて言うと 「……っ、は、はい」 と戸惑った声がしながらも私のあとをついてきた。 ……は、は、恥ずかしい!! なんか、一条以外受け付けないって言ってるみたいだったよね、私……っ!