意地悪執事はお嬢様を独占したい






男2人はそんな情けない声を出して走って去っていった。

それを見て一条は私を離そうとしたが、私は一条に強くぎゅっと抱きついた。


「……っ、千結様?」

「…こ、こわかっ、た……っ」


掴まれたところがまだジンジン痛い。
あのまま一条が来てくれなかったら私はどうなっていたんだろう。

溜まっていた涙がポロッとこぼれ落ちた。泣き顔をあまり見せたくない私はさっきよりも一条の胸に強く頭を押し付ける。



うぅ……っ、と声が漏れ、それが聞こえたのか一条は私の背中を撫でた。



「もう大丈夫ですから。安心してください」