意地悪執事はお嬢様を独占したい






「千結、前行ってきなよ。一条さんもいるから安心でしょ」

「…うん」


そう答えると、七海は「せんせーい!前に酔った人行っていいですかー?」と大きな声で言った。
すると、一条は立ってこっちに振り返った。一条は顔色を変えて、


「千結様!」


と駆け寄ってくる。
……んな大袈裟な。
私は立ち上がり、口元を押さえながら席の列を抜ける。


「千結様、大丈夫ですか?」

と言いながら私を支えてくれる一条。
それに甘えて肩を貸してもらいながら前の席に座った。