この日のために、ちゃんと動いやすい服を買った。
まあ、蜂とかは山登り出ないらしいから普通に黒だけども。

他の日はいつもの私服のワンピースに真ん中にベルトつければ目立たないだろうと勝手に自己完結。


「お嬢様、一条様。もう行かれますか」


と真っ先にやってきたのは、1番偉いじいや。

「じいや。そろそろ出るから荷物車に入れてほしいんだけど……」

「かしこまりました。お気をつけて。
お嬢様は危なっかしいですから怪我はしないでくださいね」


え!と声を漏らすとじいやは私と一条に微笑み、楽しんでとだけ言って外に出ていった。