「……一条、ほんとに執事なの?」 「はい!私は千結様だけの執事です!」 「……私だけ、なんだ」 確かこの人、執事の家庭に生まれたわけじゃないよね。 年上の執事を見習いなさいよ。ほら、じいやでもいいから。 近くにいるじいやに目を向けると微笑ましそうにこちらを見つめている。 だれか、一条に執事を教えてやって。 「千結様だけですよ。好きなんですから」 好き。 そう言われる度に顔が赤くなるのがわかった。 それを見られないよう俯く。