「かかった」 「……っ、」 子供のような無邪気な笑みで囁いた。 それに、かぁぁっと熱が集中する。一条はパッと私の手を離すと席を立った。 ……私の席を。 「なんで私の席?」 「?千結様の席だからですよ?」 ……なんで当たり前みたいな顔で言うんだろう。 「あ、今日は千結様が会議あったので迎えは来ませんよ。歩きで帰りましょう」 と私の荷物を持つ一条。 「え!私が持つよ!」 自分のだし!! 「いいですから。お疲れでしょう?」 ……っ、ほんとかっこよすぎでしょ。