意地悪執事はお嬢様を独占したい





「一条〜!」


一条に近づくと私の声を聞いて嬉しそうに私のもとへやってきた。
……犬みたい、可愛い。


「一条、先帰っちゃう?」

「いや、待ってますよ。千結様のためなら何時間でも待てます」


……うん、苦笑いでも返しとこ。
「待っててね!」と一条に笑いかけ、藍くんの所に戻った。

最近、私一条の前で笑うこと多くなった気がする。前までザ塩って感じだったのに。
……少し、素直になった、気もする。わかんないけど。


「行こう、藍くん!」



そう言い、鞄を持って教室を後にした。