ノートを預かり鞄に入れて教室をあとにした。 「ただい───」 「千結様ー!!」 家に帰りただいま、と言おうとしたら奥から走って出てくる一条に声を遮られた。 と、同時にギュッと抱きしめられる。 「……あんたねぇ…」 「お帰りなさいませ。寂しかったんですよ!」 と言うと強く抱きしめてくる。 ……こいつはほんとに私の気も知らないで。 心臓が速いスピードでドキドキという。 それに気づかれないよう冷静に見せるのはほんとに難しい。