一条をチラッと見ると、ものすごく不機嫌だった。こんなに一条に怖いと思ったことはない。
「……じゃあ、決定で。
次は班を決めます。ペアを組んでください」
と一条が言うと、ガタガタッと椅子の音がした。みんながみんな好きな子と組もうと立った音だ。あちこちで「組もう!」という声が聞こえる。
「な、ななみぃぃぃぃ」
と前の席の七海に泣きつくと、よしよしと頭を撫でてくれた。
……あぁ、なんでこんなことに。
ぜっっったいに嫌だったのに。
七海と組む予定なので席に座りながら落ち込んでいると
「あ、あの…栗栖さん、紗乃さん」

