「はぁ。あの時私がいなかったら千結様痛い思いしてましたよ?」 「…うぅ。ごめん、なさい」 シュンとする。 目線を下に下げる。……呆れられた。ため息ついてるもん。 涙目になっていると頭の上に一条の手がポンと乗っかった。 「……っ、え?」 顔を上げると、安心したように優しく笑っている一条が。かっこよすぎて思わず赤面してしまう。 一条は立ち上がり、 「では、何かあったら呼んでくださいね」 と言い部屋を出ていこうとする。 それを見てなぜだか無意識に手が一条の服の裾に伸びていた。