意地悪執事はお嬢様を独占したい





それでも笑顔で対応する千結様。
こんなところ見せられたら……邪魔するしかないに決まってる。


俺は千結様の方に向かい近づいていく。


「ちーゆさま」

「…っ、わぁ!?」


千結様を後ろから抱きしめた。それと同時に千結様の髪の匂いが鼻をかすめる。

千結様は後ろを振り向かなくてもわかるのか顔を真っ赤にして「っ、一条!」と怒った。


……かーわいい。


チラッと花岡様を見ると俺を睨んでいた。それを見て花岡様にニコッと笑顔を向ける。