「悪いけど、ソファしか寝れる場所、今の所ねーんだわ。
ガレージの奥に小さい部屋あるんだけど、鍵失くしてな。」
「気遣わないで大丈夫です。
寝れる場所があるだけマシですから。」
言いながら、立ち上がったばかりのソファに、寝転ぶ。
同じように葛西さんも、ソファに身を沈めると。
「なあ……」
「はい?」
「いや……、希乃香ちゃんいくつなんだ?」
葛西さんは多分、もっと他に聞きたいことがあったんだろう。
なんで唯の女でも、四季のメンバーの彼女でもないのに、四季の倉庫にいたのか、とか。
歳なんかどうでもいいほど、他に聞きたいことあったと思う。
でも
こんな時間まで、身内にすら連絡しない私を見て、なにかを察したのか、聞き辛くなったに違いない。
「いま、17です。
でも去年から高校は行ってない。」
「ほーん……って、希乃香ちゃん俺と同い歳じゃん」
「えっ、そうなんですか?」
「んだよ、早く言えよ。
つか、なら敬語いらねーな。好きに呼んでくれ」
「……葛西くん?」
「いや、別に苗字でもいいけど。
俺的には可愛い女の子には、下の名前で呼んでほしい気もする。」
「……」
「つーわけで。
"春ちゃん"って呼んで」
「ぜったい嫌だ」
「春ちゃん希乃ちゃんでいこう。
俺、希乃ちゃんって呼ぶわ。」
「勝手に決めないでよ。
てかなんで私まであだ名で呼ばれてんの!?」
「まあ……ノリ?」
「そのノリ、ついていけないんだけど。」


