裏切り姫と恋の病








「遅かったね、唯」


「ああ。ちょっと花音と話したその後に、一人でドライブしてた」


「えっ!?」


花音と話してたってなんで!?


「花音と……なに話してたの?」


焦りは見せず、自然な声色で聞いてみると。

冷蔵庫から冷えたペットボトルを取り出し、(ふた)を開け、中に入っている水を飲む唯の喉仏が上下に動く。


一息ついた唯が口を開ける。



「別に。お前のことだよ」


「……へっ?わっ、私のこと?」


「あぁ。『希乃香は人より辛い経験してるから、唯さんが護ってあげてくださいね。』って言ってたぞ。
 ……いい親友もったなお前」


「……かのん」



なんて(みにく)いんだろう、私ってば。


一瞬、花音が早速私を裏切ったことが頭をよぎった。



そんなの、ありえないはずなのに。


バカだな私……。