裏切り姫と恋の病





唯が花音を好きになったら……なんて。


想像するだけでもゾッとする。


そう考えてしまう時点で、私は唯のことが好きなんだろうか。



「……」


「……どうした希乃香。
 気分でも悪いのか?」



その場で固まっていると、横にいる唯が、私のおでこを触ってくる。


「熱はないようだが、気分悪いなら友達の方は断った方がいいんじゃないか?」


「う……ううん大丈夫。
 ちょっと考え事してただけだから」


「そう。無理すんなよ」



近い距離にいるだけで、こんなにも胸が熱くなるのに。


触れられると、心臓が爆発してしまいそうになる。



初恋は幼稚園の頃。

同じ百合(ゆり)組の鼻水を垂らしていたやんちゃ坊主の男の子が好きだった。


今思えば、趣味が悪いって思う。


だって、あの初恋の次に恋したのがまさか。


こんなカッコいい男だなんて……。

 
今まで恋する余裕さえなかった私に
恋する時間を与えてくれて唯。



認める。



こんなにも唯を見ただけで胸が張り()けそうなんだ。


唯のこと……好きだって認める。