裏切り姫と恋の病






「唯、あのさ。
 花音と話がしたいから先に倉庫戻ってて」


「あっ?あー……」


唯はチラッと花音の方を見る。


可愛いのに、なぜか今まで彼氏が出来たことがない花音は。
男慣れしてないせいか、唯と目が合った瞬間、頬にほんのりと赤をつけ、照れている。


花音はふわふわしていて、女の子らしく、とってもいい子。


女の私から見ても、自分が男だったら、こういう子を彼女にしたいって思うほど可愛い。


恐る恐る唯の顔を覗くけど。
花音を見ても無表情なままの唯に、少しホッとしてる自分がいる。



「お前らさえよければ、別に倉庫で話してもいいぞ」


「えっ」




気を利かせて唯はそう言ってくれたけど。


その言葉に、すぐにモヤッとしてしまう自分がいるのはなんでだろう。



そりゃあ倉庫で話した方が、ゆっくりと話し合いができるのは間違いないんだけど。



自分のやっと出来た居場所を、親友にさえ見せるのは、ちょっと嫌だなって思ってしまった。



それに。

花音が四季の倉庫に行くってことは、皆が花音を知るってことで。


こんな可愛い子と深く関わったら、そりゃあ全員が好きになってしまってもおかしくない。


だって花音は実際いい子だし。


別に好きになっても、見る目あるなってくらいにしか思わない。



けど……。


唯は別だ。