裏切り姫と恋の病





「希乃香が元気そうで本当によかった……。
 ねえ、もう学校には来ないつもり?」


「行きたいけど、色々あって今は無理なの。
 ……家にも帰ってないし」


「えっ!?」


大きな口を開けながら、花音は大きな声で驚く。



「じゃあ今はどこにいるの!?」


「えっと……その」



チラッと、気まずそうに唯の方を見ると。
飽きた様子でバイクにもたれかかりながら、タバコを吸う唯の姿がある。



唯は私の視線に気づいてこっちを見ると。


「希乃香は今、俺が預かってる。」


私達の会話を聞いていたのか、花音の目の前に立ってそう言った。



「えっ、えっ、男の子の家に居るってこと……?
 えっと二人はその、恋人??」


「違う違う!!唯の家に居るんじゃなくてその、」


やばい。

花音に今までの出来事を別に隠す気はないけど。

どう説明したらいいか分かんなくて、困った。



花音は私があの男に暴力を振るわれているって、知ってはいるけど、家出したことまでは知らない。