裏切り姫と恋の病






そうは言っても。
別に女として見られたいかって聞かれたら、別にそうじゃない。


助けてくれた恩人に、恋心を抱くなんて……そんなの、あまりよくないと思う。


別に、好かれようと思って唯も、私を助けた訳じゃないから。



「今日はもう寝ろ。疲れただろ」


「あっ、あのさ」


「ん?」


「他のメンバーは……その。
 女の私がここに居て、不満じゃないの?」



ここに連れてこられた時は、カラフルな頭をした連中が
物珍しそうにジロジロと私を見ていた。


見ているだけで、とくになにも言ってはこなかったけど。


私が誰だかは気になってるはず。


挨拶をする前に、唯にこの部屋に案内されたから。
挨拶するどころじゃなかったの。



「あいつらは、見た目は"ああ"だが。根は悪い奴らじゃない」


「……」


「中にはそうでない奴もいるが……ここは、なんらかの事情を抱えた者の集まる所だ。
 あいつらはお前の気持ちを一番理解できる人間だ」


「……」


「だからお前をここに連れてくるとき、俺の仲間は俺になにも聞いてこなかった。
 聞いてこないってことは、理解してるってことだ。
 だから別に、この場にいる全員に、お前がどう生きてきたかなんて、説明する必要ない」


「……っ」


「安心して、ここを居場所にしろ」