ボーダーライン。Neo【中】


 数日後、檜のその言葉通り、朝の職員会議で学校祭ライブの事を校長先生から知らされた。

 “煌祭”の二日目、それぞれのクラスが行う演劇が終わった後、一時間程体育館を貸し切って音楽ライブをやって貰う予定だから、と軽く予定を告げた。

 例年にない事なので、どうして急に、と他の教員から質問が上がるが。

 それに関しては、芸能プロダクションから直々に電話があり、お願いされたと説明していた。

 七月頭の土日を使って開催される学校祭は、毎年生徒以外の一般公開が有るため、校舎や体育館内は沢山の人で賑わう。

 より多くの人に彼らの音楽を認知して貰うには打って付けの機会だと思えた。

 “煌祭”で音楽ライブがある、と生徒たちに知らせると、何人か、つまり、彼らの活動を既に応援している生徒たちは大いに喜んでいた。

 クラスの出し物をポスターで告知する掲示板に、“FAVORITE”の広告が貼られ、下級生の女の子達がはしゃいで写メを撮っていた。

 当日を迎えると、檜の知名度は更に上がるだろう。

 あたしは小さな憂鬱をため息としてこぼした。




「檜のクラスは出し物決まったの?」

 学校祭ライブの事を知らされた週末。

 お決まりの部屋デートで、あたしはベッドに寝そべりながら隣りの檜に聞いてみた。