「檜くんの彼女さんは。それと同じネックレスをしてる筈なんです」

「え、」

 どうして? と疑問を抱いた。

 なぜ彼女はそんな事を知っているのだろう?

「檜くん、去年のクリスマスにその向日葵のネックレスを買ったんです。うちの店で」

「うちの店?」

「はい。まぁ、正しくは母の店なんですけど。たまに店の手伝いをする事があって。わたしが彼に接客したので」

 そう、と小さく呟き、同時に視線は足元へ下がる。

「うち、海外輸入の品ばかりを扱う、インポート店なんです。だからそのネックレスもお店には一点しか置いていなくて。
多分今持ってる人って、そう多くはないはずなんですよね」

 そこまで聞いて、なるほどと理解した。

 上河さんは、このネックレス一つであたしを檜の彼女だと見定めたようだった。

 尚も彼女の詰問は続き、ネックレスをどこで手に入れたのかを確認される。

 あたしは頭を回転させ、海外旅行へ行った際、自分で買ったと嘘をついた。

 それで上河さんの疑いを晴らせたのかどうかは分からないが、彼女の言葉は更にあたしを責め立てた。