やがて淫靡な水音が聞こえ、あたしは身をよじらせた。
ーー早く欲しいよ。檜……
うっすら目を開けると、あ、と呟く彼と目が合った。
あからさまに翳りの差した瞳で、あたしは彼を見ていたと思う。
「ごめん、起こしちゃったよな?」
いたずらがバレた様なあどけない表情で、慎ちゃんが笑みを浮かべる。
「何か。サチが凄い色っぽかったから、つい……」
彼は手を引き抜き、行為を中断した。多分、あたしが怒っていると思ったのだろう。
「……ううん、いいよ」
あたしは慎ちゃんの背に両手を回した。
「続き、しよ……?」
上目遣いに彼を見やる。
「……うん」
慎ちゃんが熱っぽくあたしを見つめ、唇を塞いだ。
ーーお願いだから。早くあたしの体からあの人の痕跡を消して。檜からの刺激を……
頭の何処かで冷静なあたしが、あたしを嘘吐き、と蔑んでいた。
***
ーー早く欲しいよ。檜……
うっすら目を開けると、あ、と呟く彼と目が合った。
あからさまに翳りの差した瞳で、あたしは彼を見ていたと思う。
「ごめん、起こしちゃったよな?」
いたずらがバレた様なあどけない表情で、慎ちゃんが笑みを浮かべる。
「何か。サチが凄い色っぽかったから、つい……」
彼は手を引き抜き、行為を中断した。多分、あたしが怒っていると思ったのだろう。
「……ううん、いいよ」
あたしは慎ちゃんの背に両手を回した。
「続き、しよ……?」
上目遣いに彼を見やる。
「……うん」
慎ちゃんが熱っぽくあたしを見つめ、唇を塞いだ。
ーーお願いだから。早くあたしの体からあの人の痕跡を消して。檜からの刺激を……
頭の何処かで冷静なあたしが、あたしを嘘吐き、と蔑んでいた。
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