◇ ♂
朝の明るい陽が差し込む中、僕はゆっくりと瞼を持ち上げた。
シンと冷えた部屋の空気に、一旦は布団へ潜り込むが、やがて観念してベッドから起き上がる。
エアコンを点ける合間に、チラッと壁の時計を見やると、針は7時を差していた。
習慣付いた動作で冷蔵庫へ向かい、ペットボトルの水を口にする。そのままリビングのソファーに腰を落ち着けた。
眠りに関して述べると、日によって若干のバラつき、不眠はあるものの、今となっては、おおかたが改善されていた。
最早悪夢にうなされる事も無い。
心の奥底で、ずっと恋い焦がれていた彼女と出逢い、再度関係を持ち、それでもまた背を向けられた。
その事でどこか憑き物が落ちたような、清々しさがあったのかもしれない。
とは言え、失恋の事実はやはり辛いものだ。
認めたくなくても、これ以上幸子に執着するわけにもいかず、これが現実だと受け入れるしかない。
僕はぼうっとする頭で煙草を吹かし、お札の入った封筒を暫し見つめた。
そのまま中身だけを抜き取り、財布に仕舞う。
結局、幸子にあの三万円は返せなかった。
彼女の吐いた言葉を思うと、突き返されるのが関の山だ。
朝の明るい陽が差し込む中、僕はゆっくりと瞼を持ち上げた。
シンと冷えた部屋の空気に、一旦は布団へ潜り込むが、やがて観念してベッドから起き上がる。
エアコンを点ける合間に、チラッと壁の時計を見やると、針は7時を差していた。
習慣付いた動作で冷蔵庫へ向かい、ペットボトルの水を口にする。そのままリビングのソファーに腰を落ち着けた。
眠りに関して述べると、日によって若干のバラつき、不眠はあるものの、今となっては、おおかたが改善されていた。
最早悪夢にうなされる事も無い。
心の奥底で、ずっと恋い焦がれていた彼女と出逢い、再度関係を持ち、それでもまた背を向けられた。
その事でどこか憑き物が落ちたような、清々しさがあったのかもしれない。
とは言え、失恋の事実はやはり辛いものだ。
認めたくなくても、これ以上幸子に執着するわけにもいかず、これが現実だと受け入れるしかない。
僕はぼうっとする頭で煙草を吹かし、お札の入った封筒を暫し見つめた。
そのまま中身だけを抜き取り、財布に仕舞う。
結局、幸子にあの三万円は返せなかった。
彼女の吐いた言葉を思うと、突き返されるのが関の山だ。



