僕はその意味を深く考え、想像してみる。
Star・Blacksという大きなコネクションが出来れば、自らが想像を絶する様な夢が実現する。例えば海外の各地域を周って僕たちの音楽を世界に広く知らしめる事も出来る。
「これまでの実績を積んだキミらだからな。ウチの商品として、ある程度の制限はしても、今後どうなりたいか。
その分岐点に立った時は自らで選択して貰おうと俺は思っていた」
「……選択」
社長の言葉に、カイはボソリと呟いた。チラと横目を向けると、不安定に顔を曇らせている。
そして、僕に視線を投げた。カイとまともに目が合ってしまう。
“当然、答えは決まってるよな?”
カイの青い瞳はそう語り掛けていた。
「少し。考える時間を貰っても良いですか?」
僕が淡々と口にすると、カイは驚きの目で、僅かに眉をひそめた。
「良いだろう、そう焦る必要もない。
ただし猶予は一週間。その間にじっくり考えて、また返事を聞かせて欲しい」
そう言って社長は黄色い色眼鏡の蔓を触り、面白そうにニヤリと笑った。
社長室を出た後、僕とカイは事務所内のカフェで昼飯を買い、楽屋で話し合う事にした。
思いがけなく舞い込んだ、海外活動についての話だ。



