ボーダーライン。Neo【中】


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 結果から言うと、学校祭ライブは大盛況だった。

 あたしは親友の美波と並んでステージを見つめ、暗い館内で照明を浴び続ける彼氏へ恍惚の瞳を向けた。

 ーーカッコいい。それに、前よりも声が伸びてる。

 先月から始めたボイストレーニングの成果が、少しなりとも表れているのだろう。

 時折響く彼の裏声、ファルセットと言うらしいが、それが心臓を震わせて瞼を熱くさせた。

「前より上手くなってるね?」と。

 美波がコソッと耳打ちをした。

 ライブが終わり、檜から電話が入った。

 後夜祭の後、メンバーの子を含め、クラスの何人かで打ち上げをするらしい。

 因みに、檜と約束したルービックキューブだが、結局のところ一面も色を揃えられ無かったらしい。

 あたしは美波と一緒に学祭って良いね、と笑い合い、女二人で宅飲みをする事にした。

 どうせなら泊まって行って、と勧めると、美波は快く了承してくれた。

 お互いが車なので、あたしのマンションへ集合して、適当なアテを用意する。

 ビールで満ちた青いタンブラーを傾け、美波が鶏の照り焼きに箸を付ける。あたしは彼女の向かいでウーロン茶を飲んでいた。

「ところでさぁ、サチ。サチは何でまた禁酒してるの? ダイエットじゃないんでしょ?」

 美波は好奇心を全面に出し、ニンマリと笑った。