「僕が叶えてあげよっか?」
叶える? 何を?
「みゅうみゅうを
カッコいいヒーローにしちゃうんだから」
「え?」
「駄菓子屋さんのおばあちゃんに
お願いしてあげる。
ヒーローショーやらせてって」
………ヒーローショー……?
ちょっと待って、待って。
何、この。
全く予想していなかった展開は!!
「みゅうみゅうはレッドね。
僕はイエローかな。
マー君が怪人で
駄菓子屋のおばあちゃんを人質にしちゃうの」
「春輝くん、
それ、本気で言ってるの?」
「うん。多分できるよ。
だって、僕もマー君も。
中3までアクションを習ってたし」
私の夢。
ヒーローショーに出たいってことじゃ
ないんだよぉ。
でも、そんなこと言えない。
春輝くんの笑顔を見たら
言えるわけないよ。
『いいこと思いついたでしょ!』
そう言いたげな
春輝くんのにんまりスマイルが
朝日よりも眩しいく輝いているから。
なんとか、断らなきゃ。



