考えた。
地獄からはい出てきたような
女怪人に睨まれながら、
必死に考えた。
「マネージャーに……
お願いしたいことが……」
『そんなことできるか!』
そう、怒鳴られることを覚悟して、
僕はマネージャーに
あることをお願いした。
伝え終わって。
罵声が突き刺さる心を守るように、
目をつぶり
胸の前に、手のひらを置いてみたけど。
あれ?
罵声の矢なんて、一本も飛んでこない。
恐る恐る目を開けると
そこには、
女神様みたいに穏やかに微笑む
マネージャーがいた。
「私と同じことを思いつくなんて。
春輝も、男らしいとこあるじゃない」
え?
褒められた?